こんにちは、飽き性モデラーです。8月の記事でお知らせした、東京・巣鴨での「汚し会」。9月と10月の2回、さかつうギャラリーさんで開催してきました。今日はその汚し会のレポートです。
参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。会場を貸してくださったさかつうの坂本さんにも、感謝しています。

汚し会で大事にしていること——まず「観察」から
汚し会では、いきなり塗ることはしません。まず「実物はどこが、なぜ汚れるのか」を考えるところから始めます。
たとえば10/12は、公園の歩道タイルの写真をみんなで見ました。砂ぼこりがたまるところ、落ち葉が残って跡になるところ、人がよく歩くところだけきれいになっているところ。さらに、補修したタイルは、年代ごとに汚れ方まで違います。
車両も同じです。雨が流れる向き、手がよく触れる場所、油が出る場所が分かると、汚しに「理由」が生まれます。理由のある汚れは、少しの量でもぐっとリアルに見えるんです。
9/19 汚し会 ワム編——はじめての東京開催は満席に
東京での初開催は、午前・午後の2部とも満席。各7名、計14名の方にご参加いただきました。

教材は国鉄の有蓋車ワム。退色→スミ入れ→サビの順に、筆を中心に仕上げていく基本の流れです。最初は皆さん慎重でした。でも工程が進むにつれて、手の動きがどんどん大胆になっていきます。見ていてとても楽しかったです。

また、作業中は皆さん黙々と手を動かしていました。

そして工程ごとに、仕上がりを見比べながら進めていきます。

完成披露会と前夜祭
最後は、全員の作品を並べる「完成披露会」。同じワムでも、人によって汚れ方がまったく違うのが面白いところです。並べた瞬間の「おお…」という空気は、毎回いちばん好きな時間です。

アンケートには11名の方が回答してくださり、総合満足度は全員が5段階の「5」。また、「説明が分かりやすかった」も全員が「5」でした。素直にほっとしています。
ちなみに前夜祭では、坂本さんや、集まってくれた仲間たちと模型の話で盛り上がりました。
集まってくれる仲間がいるってうれしいですね。

10/12 2本立て——EF81の手すり立体化と、HOコンテナの汚し会
2回目の10/12は、午前と午後で内容を変えた2本立てで開催しました。
午前:EF81 手すり立体化(パイピング)講座
まず午前は、EF81の前面と乗務員扉わきの手すりを、0.2mmの真鍮線に植え替える3時間です。流れは、モールドを削る→まち針で目印→0.2mmのピンバイスで穴あけ→現物合わせで曲げて植える、の順です。

細かい作業の連続で、皆さん時間いっぱいまで集中されていました。「時間が足りなかった」という声もいただいたので、続きはそれぞれの宿題に。
やり方の詳細は「パイピングの基本とコツ|EF81の手すりを真鍮線に」の記事にまとめています。
また、ピンバイスで穴をあけるのも初めてという参加者さまもいました。それでも、ほとんどドリルを折ることなく作業を進められていて、純粋にびっくりしました。
みなさま、根本的に手先が器用なんですね。
飽き性は何本折ってきたか。。。
さらに、精工ドリルさんのドリルの強さも間違いないです。

手すり立体化のコツ(さわりだけ)
- 穴をあける位置は、まずまち針で小さな目印をつけてから
- 0.2mmのピンバイスは強く押さない。重さだけで回すと、細いドリルでも折れにくくなります。奥まで入ったら逆回転で抜きます
- 真鍮線は図面どおりではなく現物合わせで曲げる。いろいろな角度から見て、まっすぐ・直角を確認
- 真鍮線の先を斜めにカットすると、穴に入りやすくなります
文章では伝わりにくい「手の感覚」こそ、対面の講座でお伝えしたいところでした。
今回の工具はKEIBA(マルト長谷川工作所)さんのもの。マイクロヤットコや金属用マイクロニッパーを使いました。
午後:汚し会 コンテナ編
午後の教材は、モデルアイコンさんにご提供いただいたHOスケールのコンテナです。特に、面が大きいぶん、汚しの変化がよく見えます。
ほぼ筆塗りで、退色→ウォッシング→サビの順に仕上げました。最後は屋外でエアブラシを少しだけ使い、鉄粉を表現しています。「集合住宅でも、筆塗りメインなら家でできそう」という声が多かったのが、とてもうれしかったです。
コンテナ編のポイント
- ウォッシング:上半分はふき取って落とし、側面は平らな面を落としてリベットのまわりに残す。これだけで凹凸が浮き上がります
- サビ:クレーンフックをかける所や屋根の継ぎ目など、実物でサビやすい場所に。まず黒、次にレッドブラウンを少し。最後に薄めたクリアーオレンジをちょんちょんと置いて、まわりにぼかします
- 仕上げ:屋外でエアブラシを少しだけ吹いて鉄粉を表現し、クリアーで固定して完成
同じコンテナでも、どこに汚れを残すかで表情がまったく変わります。そして、完成したコンテナを並べると、その違いがよく分かりました。

そして今回うれしかったこと。前回に続いて参加してくれた勝田工房さんが、コキ車を持ってきてくれました。仕上がったコンテナをみんなで載せて写真を撮ることができて、すごくよかったです。

初めて東京で汚し会を開いてみて
まず感じたのは、さかつうさんで開催できる立地の良さです。特に巣鴨駅から歩いてすぐで、遠方からでも来ていただきやすい場所でした。
そして何より、参加された皆さんの真剣さには本当に感動しました。正直なところ、私自身は地道な作業を「苦行」だと思っていました。それでも皆さん、真剣に話を聞いて手を動かしてくれました。
それでいて、皆さんとにかく楽しそうでした。さらに、完成したときにはお互いの作品の違いを楽しんでくれていて、本当にうれしかったです。同じ教材でも、作る人によってまったく違う仕上がりになる。それを一緒に楽しめるのが、汚し会のいちばんの魅力だとあらためて思いました。
だからこそ、毎回新鮮な気持ちで臨めています。
参加者さまを差し置いて、ウェザリングに夢中になってすみませんでしたw
アンケートでいただいた声と、次回の汚し会に向けて
2回とも、アンケートにたくさんの感想をいただきました。雰囲気をかいつまんでご紹介します。
- 一人で始めると迷いがちなところを、その場で直接教われるのが心強かった
- これまでスミ入れ程度だったけれど、本格的なウェザリングを体験できた。筆塗り中心なので自宅でも続けられそう
- 1両仕上げたら愛着がわいて、手持ちの車両も汚してみたくなった
- (手すり立体化)自分のペースに合わせて進めてもらえた。続きを終えたら、ほかの車両でも挑戦したい
10/12の満足度は、5段階で平均4.8でした。一方で、次回に向けた宿題もはっきり見えました。
- いちばん多かった質問は「ウォッシングの濃さの目安」と「筆や溶剤の跡を残さないコツ」。次回はスライドと配布資料で必ず扱います
- 「手元をもっと大きく見たい」という声には、次回は手元をモニターに映す形で応える予定です
- 「時間が足りない」という声もあったので、もう少し時間をとった形も考えています
主催者としての反省
- 初めてのパイピング講座は、時間配分が大きな反省点です。その結果、最後は駆け足になってしまい、宿題にしてもらった方もいました。そのため、次は内容と時間のバランスを見直します
- 完成した作品を並べて撮るときのレールを忘れてしまいました。次は忘れずに持っていきます
次回のお知らせは X とメルマガで
なお、次回の日程が決まったら、X(@get_bored13)とメルマガでお知らせします。
あらためて、会場のさかつうギャラリー様、教材をご提供いただいたモデルアイコン様、工具でお世話になったKEIBA様、そしてご参加の皆さま、ありがとうございました。
ウェザリングは、一人でやると迷うところが多い作業です。だから、手を動かしながら一緒に考える場として、汚し会はこれからも続けていきます。
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あわせてどうぞ
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- パイピングの基本とコツ|EF81の手すりを真鍮線に(10/12午前の講座内容)
- 鉄道模型ウェザリングの考え方|リアルな汚れの作り方

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