鉄道模型ウェザリングは難しくない|4ステップでやれる実技編

鉄道模型ウェザリングは難しくない エナメルだけでやる4ステップ実技編 アイキャッチ 雑記
鉄道模型ウェザリングは難しくない エナメルだけでやる4ステップ実技編 アイキャッチ
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こんにちは、飽き性モデラーです。今回は鉄道模型 ウェザリングの実技について、初心者の方でも気楽に試せる4ステップを解説します。

以前、「鉄道模型ウェザリングの考え方|リアルな汚れの作り方」という記事で、ウェザリングの基本的な考え方や心構えについて書きました。今回はその続編として、実際にどうやって汚すのか、手順に絞った実技編をまとめます。

結論から言うと、ウェザリングは難しくありません。エナメル塗料1セットあれば誰でもできます。私もメインで使っているのはエナメルです。

退色(色あせ)の表現はラッカーでやる方法もありますが、今回はエナメル塗料だけで全部の工程をやり切るのがテーマです。「エナメル1セットでここまでできる」という記事です。

はじめに:換気だけは忘れずに

エナメル塗料も溶剤も、それなりに匂いがします。気分が悪くなることもあるので、作業前に必ず窓を開ける/換気扇をまわすか、塗装ブースを使ってください。長時間こもると頭が痛くなります。家族と同居している場合は、リビングで作業するのは避けたほうが無難です。

「楽しいから」と没頭しがちなので、ここだけ最初にお伝えしておきます。

そもそも鉄道模型のウェザリングって何?

ウェザリング(weathering)は、模型を「使い込まれた感じ」に汚す技法のことです。新品ピカピカの車両も格好いいですが、雨ざらしで走り続けてきた車両のリアルな雰囲気は、ウェザリングでしか出せません。

「正しいやり方」があるわけではないので、気楽にやって大丈夫です。失敗してもエナメル塗料ならふき取れます。

ウェザリングの塗料がいっぱいあって何を使えばいいかわからない人へ

塗料種類と用途の相性表
塗料種類と用途の相性表(参考)

模型店に行くと、ラッカー・エナメル・水性アクリル・ウェザリングカラー・ピグメント……種類が多すぎて、どれを買えばいいか迷うと思います。私も最初はそうでした。

結論からいくと、最初はエナメル塗料1セットでOKです。

理由はシンプルで、安くて、扱いやすくて、Nゲージのスケール感に合うから。プロ向けの専用塗料もいろいろありますが、いきなり手を出さなくて大丈夫。エナメルだけで4ステップ全部が完結します。

次のセクションで、なぜエナメルがおすすめなのかを詳しく説明します。

ウェザリングにエナメル塗料がおすすめな理由

  • 塗膜が薄いので、厚ぼったくならず粉っぽい質感を表現しやすい
  • 塗料自体にスケール感があって、1/150のNゲージにちょうど合う粒子感
  • 失敗してもエナメル溶剤でふき取れる(ラッカー塗装の上からなら下地を侵さない)
  • 乾きが遅いので、塗ってから時間をかけてぼかせる
  • ウォッシング・スミ入れ・ドライブラシなど用途が広い

とくに塗膜の薄さとスケール感は、Nゲージのウェザリングと相性がいい部分です。粉や錆をリアルに見せたいとき、塗料が厚いと模型がボテッとしてしまいますが、エナメルはそうなりにくい。

下地はラッカー系で塗装してあることが前提です。プラ地や水性塗装の上だと下地ごと溶ける可能性があります。

ウェザリングにエアブラシは必要?筆で十分です

「ウェザリング=エアブラシ必須」と思われがちですが、筆だけで十分表現できます。エアブラシがあると霧状に薄く吹けるので表現の幅は広がりますが、なくてもまったく問題ありません。

私自身も、まずは筆で表現しています。エアブラシは導入のハードルが高いので、最初の1両は気軽に筆から始めてみてください。

ウェザリングに必要な道具

カテゴリアイテム備考
塗料タミヤエナメル:フラットホワイト/フラットブラック/フラットブラウン/ハルレッド/レッドブラウン/クリアオレンジこの6色でひと通りまかなえます
溶剤タミヤ エナメル溶剤(X-20)薄め・ぼかし・ふき取り兼用
面相筆(細)/平筆(中)面相筆=スミ入れ、平筆=退色・足回り
ふき取り綿棒・ティッシュはみ出しの修正用
その他パレット代わりの小皿紙パレットでもOK

道具はこれで全部です。最低限のセットなら気軽に揃えられる範囲だと思います。

ちなみに、面相筆や平筆、綿棒は100円ショップの化粧品コーナーでも十分なものが見つかります。模型用にこだわらなくてもOK。

正直、私のなかで100均は模型屋です(半分本気)。化粧品・日用品コーナーが意外と宝の山なので、模型コーナーだけじゃなくて、ぜひそっちものぞいてみてください。

下準備:ウェザリング前に艶消しラッカーを吹く

エナメル塗料は扱いやすい反面、塗膜が弱いのが弱点です。そのまま塗料を乗せると、定着が甘くて流れたり、あとからこすって剥がれたりします。

そこで、ウェザリングを始める前に必ずクリアラッカーをひと吹きしておきます。これだけでエナメル塗料の食いつきが格段に良くなります。エナメルの弱点を、ラッカーのコーティングでカバーするイメージです。

使うのは艶消しクリア(フラットクリア)半艶クリア(セミグロス)。仕上げたい質感に合わせて選びます。塗料の詳しい仕様はタミヤカラー公式も参考になります。

  • 古びた・くすんだ感じ → 艶消しクリア
  • 使い込まれているけど艶もそれなりに残してたい → 半艶クリア

艶ありクリア(光沢)はエナメルが弾かれて乗らないので避けてください。

このひと手間で、ウェザリングの仕上がりが大きく安定します。面倒に感じるかもしれませんが、ここをサボるとせっかく塗ったエナメルが流れたりムラになるので、必ずやってください。

ウェザリングの考え方:観察とストーリー

EF81-2 実車の参考写真
EF81-2の例。日本海縦貫線の塩害サビ、交直区間でのパンタからの鉄粉、雨垂れ——実車のストーリーを観察してから模型に落とし込みます。

手を動かす前に、ひと呼吸。「この車両はどんな環境で、どれくらい使われてきたのか」を想像してみてください。

  • 現役バリバリで毎日走っている車両 → ブラウン寄りの軽い汚れ
  • 留置線でほこりをかぶっている車両 → 黒寄りの全体的にくすんだ汚れ
  • 雨ざらしで放置気味 → 赤錆をプラス
  • 古い錆 → 黒っぽい色
  • 新しい錆 → 鮮やかな赤

このイメージがあると、何色をどこに置くかが自然と決まってきます。鉄道模型 ウェザリングは技術より観察が9割と言ってもいいくらいです。

鉄道模型ウェザリングを4ステップで仕上げる手順

STEP 1:退色(たいしょく)

鉄道模型ウェザリング STEP1 退色:平筆で塗布
STEP1:平筆で車両全体に薄く乗せていく

使う色:フラットホワイト+フラットブラックを溶剤で薄く溶いたグレー

車両全体にうっすら塗って、新品の鮮やかさを抜きます。屋根・側面に薄く乗せて、はみ出したぶんは溶剤を含ませた綿棒でぼかせばOK。一気に濃くせず、薄く何度か重ねるのがコツです。

👉 退色ができたら、ここで一度ラッカークリアを吹いて保護します。これをやらないと、次のスミ入れ工程でせっかく塗ったエナメルの退色表現が溶剤で薄れてしまいます。退色だけは「やったら必ず保護」と覚えておいてください。

STEP 2:スミ入れ

使う色:フラットブラック+フラットブラウン

面相筆に塗料を含ませて、リベットや窓枠まわり・ドアの溝など、影が落ちる場所に流し込みます。毛細管現象で勝手に流れていくので、置くだけ。はみ出しは綿棒で軽くふき取ります。

ここで車両の輪郭が一気に締まります。ウェザリングで一番効果がわかりやすいステップです。

STEP 3:サビ付け

鉄道模型ウェザリング STEP3 サビ付けの工程
STEP2 スミ入れの工程写真

使う色:ハルレッド・レッドブラウン・クリアオレンジ・フラットブラック

赤錆っぽいところは「ハルレッド+クリアオレンジ」、古い錆っぽいところは「レッドブラウン+フラットブラック」を点付けして、上から下へ筆で軽く流します。

サビは雨水と一緒に流れる場所=屋根の継ぎ目・床下機器の上面・カプラーまわりに集中します。全部に塗らず、1両1〜2箇所くらいに絞ったほうがリアルです。

💡 鉄道模型ウェザリングのサビ専用色は「刺し色」として効果的

Mr.ウェザリングカラーやタミヤのサビ表現専用色(マルチブラック・ステインブラック・ラストオレンジなど)は、ピンポイントの「刺し色」として使うとかなり効果的です。「ここに濃い錆を入れたい」という1点ものの表現に向いています。

ただ、私自身はメインでは使っていません。Nスケール(1/150)には塗膜が少し厚く感じるので、HOゲージや大きいスケールの方が相性がいい印象です。まずは基本のエナメル6色で試して、慣れてきて「ここをもう一段深く表現したい」と思ったら、専用色をワンポイントで足してみる流れがおすすめです。

STEP 4:足回り

使う色:フラットホワイト+フラットブラックのグレー(STEP 1より濃いめ)

台車・床下機器・スカートに、砂ぼこりが乗った感じでドライ気味に塗ります。下まわりは全体的に明るくくすんだグレーになるイメージ。ここまでやると、車両がガラッと「使われている」雰囲気になります。

💡 鉄道模型ウェザリングで表現を残したい工程は、都度ラッカー保護

エナメルは上にエナメルを重ねるとき、下層が溶剤で薄れる性質があります。退色のあとは必ず保護しましたが、「ここまで仕上げた表現を絶対に残したい」と思った工程の後も、ラッカークリアを吹いておくのが安全策です。

たとえば「スミ入れの濃さがちょうどいいから、サビ付けで薄まってほしくない」と思ったら、スミ入れの後にラッカー保護を1回挟みます。逆に、自然に薄まってブレンドされてくれた方が好みなら、そのまま次の工程に進んでもOK。仕上がりの好みで都度判断してください。

ウェザリング最後の仕上げ:トップコートで保護&定着

4ステップが終わったら、もう一度ラッカーのクリアでトップコートします。エナメルの塗膜は弱いので、これをやらないと触っているうちに剥がれます。仕上がり全体を保護する大事な工程です。

ここで覚えておきたいのが、クリアコートをするとエナメルの色が少し濃く出ます。「ちょっと薄いかな?」くらいで止めておくと、コート後にちょうどいい濃さに落ち着くことが多いです。

逆に「濃いめに仕上げたい」と思ってウェザリングを濃くしすぎると、コート後にさらに濃くなってクドい印象になります。コート後に色が濃くなることを加味して塗るのが、慣れたモデラーがやっているちょっとしたコツです。

そもそも、ウェザリングに失敗はない

既製品とのビフォー・アフター比較

濃くなりすぎた/変な場所にはみ出した。エナメル溶剤を含ませた綿棒でふけば、ほぼリセットできます。

ただ、完全には消えないんですよね。どうしてもうっすら残ります。でも私は、これを「失敗」だとはまったく思っていません。

むしろ逆で、その薄く残った色味が積み重なることで、汚れのストーリーに厚みが出るんです。何度か塗って、何度か直して、消そうとしてうっすら残って——その痕跡こそが「長く使い込まれてきた感じ」になります。

だから、私の中ではこう考えています。ウェザリングに失敗はない。失敗のように見えたものも、ぜんぶ完成品の厚みに変わっていきます。

怖がらずに、どんどん試してみてください。最初は不要なジャンク車両で練習してから本命に挑戦するのもおすすめですが、慣れてきたら本命でも気楽にやって大丈夫。直そうとした痕跡は、味になります。

ウェザリング塗料・道具の商品リンク(Amazon/楽天/Yahoo!)

今回の記事で紹介した塗料・道具のリンクをまとめておきます。Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングから選べるので、揃えやすいところから始めてみてください。

タミヤエナメル塗料(6色)

※ フラットブラウン(XF-10)はリンク準備中です。Amazon等で「タミヤ エナメル XF-10 フラットブラウン」と検索すると見つかります。

エナメル溶剤・筆

鉄道模型ウェザリングのまとめ

鉄道模型ウェザリング 完成例の比較
  • 換気だけは忘れずに(匂いはそれなりにあります)
  • エナメル塗料は塗膜が薄く、Nゲージのスケール感に合う
  • エアブラシは不要、筆で十分表現できる
  • ウェザリング前に艶消しラッカーで下地、退色のあとは必ずラッカー保護、最後にもう一度クリアコート
  • 退色 → スミ入れ → サビ付け → 足回り の4ステップ
  • クリアコート後は色が少し濃く出ることを加味して塗る
  • 「どんな車両か」のストーリーを先にイメージする
  • 失敗しても溶剤でふき取れる。うっすら残る痕跡は「失敗」ではなく「汚れの厚み」になる

考え方の話は「鉄道模型ウェザリングの考え方|リアルな汚れの作り方」に書いてあるので、あわせて読んでもらえると、もう一段深く楽しめると思います。

ピカピカの新車もいいですが、鉄道模型 ウェザリングを覚えると「自分だけの1両」がつくれます。気楽に、楽しく汚していきましょう。

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