こんにちは、飽き性モデラーです。今日は、Nゲージの手すりを真鍮線に置き換えるパイピングのやり方を、EF81を例にご紹介します。
実は、10月12日に東京・巣鴨のさかつうさんでパイピング講座を開くことになり、その見本を作りながら工程を写真に撮りました。そこで、講座でお伝えするコツを先に少しだけまとめておきます。
手すりが「手すりじゃない」ことへの違和感から
飽き性は、もともと車両の加工をしています。いろいろ突き詰めていく、そのずっと手前で、まず気になったのが「手すりが手すりじゃない」ことでした。車体に浮き彫りになっているだけの手すりに、どうしても違和感があったんです。
中学生のころは、やり方もよく分からないまま、カッターでモールドを削って、まち針で穴をあけて、細い針金で手すりを作っていました。そのあと、合う素材を探したり、凄腕モデラーさんの作品を見たりしながら、いろいろ研究して、今のやり方にたどり着きました。
手すりの付け方って、意外とやり方が分からないと思います。私も最初は分かりませんでした。だからこそ、車両加工の楽しみ方のひとつとして、皆さんに伝えたいと思って、今回の講座を開くことにしました。
パイピングとは?モールドの手すりを真鍮線に置き換える工作
パイピングとは、車体と一体で成形された手すりや配管のモールドを削り取り、真鍮線などの別部品に置き換えるディテールアップです。
本物の手すりは、車体から少し浮いています。つまり、その「すき間」と「影」が、模型を一気に本物らしく見せてくれるわけです。今回は、EF81の前面の手すりと側面の乗務員扉わきの手すりを、0.2mmの真鍮線に植え替えます。普段は0.1mmの真鍮線なども使っていますが、講座ではまず0.2mmから使って、慣れていきます。
パイピングに使う道具
- まち針(足の位置の目印用)
- モデリングチゼル(モールドを削る)
- ピンバイス+0.2mmドリル
- 真鍮線 0.2mm
- ヤットコ・精密ピンセット(曲げる)
- ステンレス定規・ゴムマット(Rを作る)
- 金属用ニッパー(真鍮線を切る)
- 瞬間接着剤・流し込み接着剤
- プライマー・車体色の塗料・面相筆
なお、真鍮線を切るときは、プラ用ではなく金属用のニッパーを使ってください。プラ用で切ると刃を傷めてしまいます。
手順1:まち針で目印をつけて、モールドを削る
まず、削る前に手すりの足の位置へ、まち針などで小さなポイントの穴をあけておきます。というのも、モールドを削ったあとでは、どこに足があったのか分からなくなるからです。

次に、チゼルで手すりのモールドを削り落とします。ポイントは、余計なところを傷つけないこと。刃の持ち方と力の入れ方しだいで、まわりのモールドを残したまま、手すりだけをきれいに落とせます。そして、削った跡にはプライマーを塗り、車体色でなじませておきます。
手順2:0.2mmのドリルは「強く押さない」がコツ

続いて、ピンバイスと0.2mmのドリルで穴をあけます。0.2mmはとても細いので折れそうに見えますが、使い方さえ守れば折れません。
- いきなりあけず、手順1の目印の穴にドリルを当てる
- ドリルを対象物と直角に置く
- 強い力を入れず、ほとんど重力とドリルが進んでいく力で回す。自然にドリルが進んでいきます
- 奥まで入ったら、逆回転させながら抜く
たとえば、押し込んだり、抜くときにこじったりすると、その瞬間に折れます。だからこそ「押さない・こじらない」を徹底するのが、パイピングでいちばん大事な基本です。
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手順3:真鍮線は「現物合わせ」で曲げて植える

次は、真鍮線を曲げて植えます。
図面に書いてその通り曲げるのもいいのですが、私は図面どおりではなく現物合わせで曲げています。ドリルの位置には、どうしても微妙な誤差が出ます。真鍮線も何回も曲げ直しをすると、折れてしまいます。そのため、実際にあけた穴に合わせて曲げると、手間はかかりますが一番きれいに仕上がります。
- まっすぐ、90度に。いろんな角度から見て、角度を確かめながら作ります
- 角のRは、押し付ける物で作り分けます。ステンレス定規のような硬い物ならRはきつく、指やゴムマットならRは緩くなります
- 真鍮線の先を斜めにカットすると、穴に入りやすくなります

植えるときは、車体から0.1〜0.2mmほど浮かせます。プラバンなどのステーを差し込んでもいいですね。さらに、固定は最初に瞬間接着剤を付けて差し込むか、裏から流し込み接着剤を流して固着させます。一方で、角度がバラバラだとそれだけで汚く見えるので、固める前にもう一度いろんな角度から確認してください。
ちなみに、EF81の誘導員の手すりは既存のパーツが付いていますが、太すぎます。そこで、細い棒や元の手すりパーツの足をカットして差し込み、裏から流し込み接着剤で固めてから、もう一度穴をあけ直しています。
手順4:全塗装せず、タッチアップで仕上げる
最後に、植えた真鍮線にプライマーを塗ってから、車体色でタッチアップします。EF81なら、ローズピンク(ガイアノーツ 1009)を使っています。つまり、塗るのは触ったところだけ。全体を塗り直さないので、元の塗装のきれいさを残したまま仕上がります。
本当は全塗装したほうがいいんですが(笑)
※ この流れを、手を動かして覚えたい方へ。10/12(月祝)に東京・巣鴨のさかつうさんで講座を開きます(詳しくは記事の最後で)。
パイピングは「線を1本植える」だけで顔つきが変わる
モールドを削って、線を1本植えるだけで、模型の顔つきは見違えます。しかも、今回のコツはEF81に限らず、どの車両にも使えます。まずは好きな1両の、前面の手すり1本から試してみてください。
もちろん、「一人だと不安」「道具をそろえる前に一度やってみたい」という方は、ぜひ講座でお会いしましょう。
文章では伝わらないところを、対面で:10/12(月祝) さかつうでパイピング講座をやります
基本の流れはこの記事のとおりです。ただ、パイピングの仕上がりを左右するのは、文章や写真では伝えきれない「手の感覚」の部分。講座では、そこを目の前でしっかりお伝えします。
- チゼルの持ち方・力の入れ方を、手元で実演
- 0.2mmドリルを「重力だけ」で回す感覚を、実際に回して体験
- 現物合わせの曲げ方や角度を、一人ひとりの手元を見ながらアドバイス
- 穴がずれた・線が曲がったときのリカバリーも、その場で
東京・巣鴨のさかつうさんで、EF81の車両付き・工具はすべてこちらで用意します。手ぶらで来て、仕上げた1両をそのままお持ち帰りいただけます。
- 午前 10:00〜13:00 パイピング講座(EF81付き)22,000円
- 午後 14:00〜17:00 汚し会 HOコンテナ編 9,800円
- 参加費は当日現金/満席になり次第終了

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